ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その41

今では考えられないような方法で雪子は一駅離れた中高一貫の女子校に通うことになります。 雪子は電車を使うことは今までは希でした。 駅前の商店街で大方のことは用意できるしハイキングや家族旅行と言っても当時は珍しかった車を利用していました。 父親が…

ブログ「東大阪のお嬢さま『雪子』」その40

勉強の後のおやつは色々あってその上毎日変わるのです。 雪子の素直な反応は「勉強って美味しい」でした。 真知子も喜んでいましたが心の中では母親をとられたというどうしようもない感情だけが残っていました。 勉強の成果もあってどうにかこうにか成績は上…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その39

真知子の母親は高卒ですが聡明です。 何よりも雪子がよくなついていて言うことをよく聞くのです。 真知子の母親は会社の仕事もして家の仕事もして雪子の家庭教師もして大変忙しくなりました。 真知子には殆どかまうことができなくなりました。 雪子は真知子…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その38

小学校の先生がやはりここは中学生受験して進学校に行く方が勉強がはかどるとすすめたのです。 ちょうど雪子の家の前の駅から一駅向こうに中高一貫の女子校があってそこを目指すことにしました。 雪子は放っておくとすぐに何せずに机の前に座っているだけで…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その37

そしてその時から雪子のちょっと大変な挑戦が始まったのです。 まずは当時珍しい中学生受験から始まるのです。 雪子の成績は普通です。 勉強も普通にしていました。 能力が普通だったのです。 お祖父さんの聡明な遺伝子も父親の真面目な遺伝子も受け継がずど…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その36

お祖父さん:それを考えていたんだけどお医者さんとか看護婦さん薬剤師さんなんかが良いのではないかと考えている 雪子:お医者さんって難しそうだし看護婦さんってしんどそう薬剤師さんってどんな仕事をする人 お祖父さん:お薬を調剤する人何だよ 雪子:調剤っ…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その35

雪子:そうなんだけどやはり仕事しないとダメなの お祖父さん:私の仕事は2回ダメになった 1回目は農地改革で持っていた田畑がなくなってしまった。 それで農機具の会社をすることにした。 2回目は農業機械の発達で農機具が使われなくなった。 それでプラスチ…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その34

雪子:私わからない 楽しいのがいいなー お祖父さん:50年働いてきたけれどそんな仕事はまずないなー 勤めること自体大変なんだよ 技術がないとダメ 雪子:技術? お祖父さん:何か技術特技を持っていないと仕事さえさしてもらえないかも知れない 雪子:お祖父さ…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その33

雪子:何かやらないとダメなの じゃお母さんみたいにお茶やお花が良いな お祖父さん:それはそう言うのは趣味でやりたいことと違うのだよ どんな仕事をしたいかということ 雪子:仕事は男の方がすることでないの お祖父さん:これからは女性でも働かないといけな…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その32

お祖父さんは背筋が寒くなりました。 こんな問題を間違っているようでは雪子はひとりでは生きていけないのではないかと思ったのです。 お祖父さんは平常心を持ちながら雪子に優しく話しかけました。 お祖父さん:雪子は偉いね宿題やっているんだね 雪子:お祖…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その31

雪子はお祖父さんの縁側が好きでした。 お祖父さんは小言を言わないしいつもお菓子が机の上に置いてあるし夏涼しくて冬暖かい天国のような場所でした。 宿題を持ってそこで勉強するとそれはそれはお祖父さんは喜んでおやつをくれました。 その日も宿題をして…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その30

普通に小学校で勉強できたのは真知子のおかげです。 クラスのリーダー的存在でした。 真知子が小学生としては荷が重いのですが陰に日向に雪子を手助けしていたのです。 雪子はそれがわかっていました。 でもわかっていてもぼんやりしていたのです。 そんな雪…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その28

雪子がぼんやりと思っていたのですが雪子がぼんやりしていたのはいつものことでした。 何をするのもゆっくりでぼんやりです。 気が走っている真知子が横にいますのでその際立ちでもっともっとぼんやりしていることが明々白々になってしまいました。 雪子自身…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その28

金物屋さんは小さい女の子が突然言ってきたので唖然として見ました。 「色白の可愛いお子様ですね 社長さんの子供さん」と聞いて来ました。 社長が返事すると「仕方がないなー こんな可愛い子供に言われたら嫌とは言えないわ-」と金物屋さんは取引を了承して…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その26

会社の面々はこれは行けると思いました。 少しでも早くやり出した方が勝ち組になると思いました。 お祖父さんは当時の最新式の射出機と型を作るための旋盤やフライス盤を一式買い込んで仕事をやり始めたのです。 当時のお金としては相当なもので文字通り社運…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その25

方針が決まって会社ができても新規事業がうまくいくとは限りません。 プラスチックス製品を作ることとそれを売ることのふたつをしなければなりません。 当時は必要なものを作れば売れる高度成長期だったとしてもそう簡単ではありませんでした。 今までかじ屋…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その24

経営者としてのお祖父さんはなかなかのものです。 この先プラスチックスが世の中のものつくりの中心になるとその時見抜いたのです。 会議の面々にプラスチックスで新規事業はいくと告げました。 みんなは決まらない会議にうんざりしていたので大方の人達は良…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その23

お祖父さんの農機具の会社の売り上げが落ちてきました。 鍬や備中などの農機具は機械の耕運機に取って代わられていったのです。 お祖父さんは新しい仕事を始めなければならないと考えて雪子の父親に言っていました。 お祖父さんも父親や会社の全員で良い知恵…

ブログ小説「笑顔のアイコンタクトに魅せられて」全話 とても長いです

あらすじ この物語は主人公がふたりいます。 京都の北丹波美山町に生まれた薫子と阪神間に生まれた登です。 ふたりは相前後して昭和50年1975年に生まれました。 平成23年(2011年)に出会いますがその出会いまでは姿を見ることはあっても相手を認識すること…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その21

だからといって雪子が勉強に熱心だったかというとそんな事はさらさらありませんでした。 受けついた遺伝子があったのか算数はできましたが国語は全くです。 ままごと遊びやお人形ごっこそれにテレビに夢中だったのです。 お人形といえば小学校3年生になった…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その20

雪子はテレビはみんなで見た方が楽しいと思っていました。 真知子は会社の休息室でみんなと見ていたことを知っていたのですこしだけうらやましく思っていました。 当の真知子は雪子がいないので一番後ろで何も見えなかったそうです。 馬車に乗った美智子妃殿…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その19

雪子が小学校に入学した昭和33年には雪子のお祖父さんは村で一番早くテレビジョンを購入しました。 14型のテレビで会社の休息室に最初置かれました。 雪子の部屋からはすぐですから食後は家族で行ってテレビを見ていました。 力道山のプロレス中継やお相撲が…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その18

雪子は小学生ですので洋服を着て靴を履いてランドセルを背負って出掛けていました。 雪子が入学した昭和33年当時はまだまだ下駄履き着物姿風呂敷で小学校に通っていた子供もいました。 (嘘だろうと思っている方もおられますでしょうが本当です。 作者自体母…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その17

それまでは長い髪でお下げにしていた雪子は大変身です。 当時の男子の一般的な刈り上げになって雪子はさっぱりしました。 非常に軽いと思いました。 その上いつも嫌だった「頭を洗う」が超簡単になって言うことなしだと思いました。 小学校にも休まず行ける…

小枝不動産のテレビ取材を受けました。

関東の方は まったくご存じでないと思いますが 大阪のローカルでは かなりの視聴率がある 「土曜はダメよ」の中にある 小枝不動産の テレビ取材を受けました。 もちろん 私は まったく 金品を出しておりませんので 編集で カットされるかもしれませんが 放送…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その16

首の手術の後はまだ大きく残っていました。 抜糸したあとが痛々しく見えました。 まだ暑い時期でしたので服で隠すには早いので単純にガーゼを巻いていました。 余計に目立つのですがだれも言いませんでした。 手術から時間が過ぎるとともに雪子の体調は段々…

ブログ「東大阪のお嬢さま『雪子』」その15

麻酔が覚めると雪子は「痛い痛い」と言いました。 6人部屋の狭い病室では付き添えないのでお祖父さんは個室をお願いしました。 お世話になっている先生に頼んで特別室にその日のうちに変わりました。 特別室は窓が大きくて景色がよくて広くて何十人でも入れ…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その14

雪子は手術着に着替えてそれから注射を打たれて意識がもうろうとなりました。 看護師に抱かれて手術室に向かいました。 家族は手術前の控え室で待ちました。 手術は1時間ほどで終わって看護婦さんに抱かれてベッドに帰ってきました。 麻酔が効いているのか眠…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その13

雪子は病院は大きくて得たいの知れないところと思いました。 10時になると乳母がやってきました。 知った人がそばにいるだけで安心しました。 11時になると他のみんなもやってきて賑やかになりました。 少しだけ安心しました。 12時頃になると看護婦さんがや…

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その12

いつもは家のふかふかの布団でぐっすり寝ているのに病院は初めてのベッドで固い布団で痛かったです。 ベッドはこんなに固いもので西洋人はこんなものでゆっくり寝ているのだろうかなどと病気とはまったく関係ないことを考えていました。 朝8時になると食事の…