ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

昭和30年代始めの頃 さくら荘 その5

昭和30年代始めの頃 さくら荘 その5

本題に戻して
さくら荘について
も少し詳しく見ていきましょう。



さくら荘は、
その間取り図からわかるように
各室に台所が付いていますが
トイレ・お風呂はありません。

若い皆様方の中には、
「台所しかないのか」
とおっしゃる方も多いと思います。
しかしこの『台所が各部屋にある』
ということは、
本当に革新的で
新しい
アパートの特長だったのです。

その少し前までの
アパートは、
共同炊事場でした。
炊事場は、
1階にしかできなかったのです。

なぜかというと
流しと
排水管のためです。
もっとはっきり言うと
排水管として
塩化ビニル管ができたから
このような”快挙”ができたのです。

それまでの排水管は、
陶管と鋳鉄管でした。
陶管は、継ぎ目を
いくらセメントや漆喰で塞いでも
水漏れは治まりませんでした。
またもっとグレードの高い
鋳鉄管は、
このような木造の建物に使うには、
単価が高い上
街の大工さんには、
扱う技術が無かったのです。

そんなこんなで
2階には、台所が殆ど不可能な上
土間に設置する必要があった関係上
各室に台所ができなかったのです。

というわけで
先進的な
さくら荘ができたのです。

私なんかは、
ちょっとの間に
すごい技術革新したんだなと思うのですが、、、
皆様は、これを読んでどうお考えでしょうか。