ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ロフトで南部せんべいをどうぞ 5話

夕子が声のする方を
向くと
男性が立っていました。

夕子はその男性が
すぐに
徹だと分かりました。

岡山の家の隣の
徹です。
隣と言っても
100m離れていましたが
おさななじみで
高校まで同じクラスでした。

「たこちゃん」と言われていたのは
夕子のニックネームです。

夕子は
小学3年生の頃
夕の字がカタカナの
タと似ているので
クラスの誰かが
たこ
と呼んだのがはじまりです。

クラスのみんなは
夕子がクラスの人気者だったので
親しみを込めて
「たこちゃん」と呼んでいたのです。

夕子はそれはいやでした。
「夕子の夕は
夕日の夕で
たこなんかじゃない」
と思っていたのですが
そのことは言えませんでした。

ズーといやだと思って
高校3年生になったとき
その日は少し歯が痛い上
飼っていた犬が
寿命で死んでしまったので
クラスのひとりが
「たこちゃん」と呼んだので
夕子はついに堪忍袋の緒が切れてしまいました。

クラスのみんながいる前で
夕子は
「私はたこちゃんじゃない。
みんなは私がそう呼ばれたとき
どんな思いか分からないの!」と言って
その日は
早引きして帰りました。

その日以来
夕子は
クラスのみんなと話しもしませんでした。
隣の徹とも話しはしませんでした。

夕子は
そんな理由もあって
地元から離れるために
大阪の大学に進学したのです。

岡山に帰ることはあっても
クラス会に出たり
成人式にも出ませんでした。

だから徹とは4年ぶりの再会でした。
その徹が
目の前で
声を掛けてきたのです。