ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ロフトで勉強しましょ 5話

会社を定時に終わった後
敬子と十詩子は
当時の国鉄の尼崎駅から
大阪に向かいます。
それから地下鉄で
一駅向こうの南森町まで乗って
駅から1分の経理学校です。

十詩子は
会社に就職してから
尼崎から出ていません。

大阪へ行くのは
高校の時に
就職のために
今の会社の
大阪本社へ
行ったのが初めてで
その時以来
行ったことはありません。

敬子とわくわくしながら
大阪の大きな地下街を通って
行きました。

経理学校は
古い鉄筋の校舎で
相当昔の
エレベーターで
ガタンガタンと揺られながら
4階の教室に行きました。

教室は
高校の教室のと同じぐらいの
大きさで
古い木の机と椅子が並んでいました。

気合いが入っている
敬子と十詩子は
黒板の前の
一番前に座りました。

会社を定時に出てきたので
少し早めというか
だいぶ早めに来てしまって
一番でした。

ふたりは
なんやかやと
話しながら時間を過ごしていると
次々と他の受講生がやってきました。

受講生は
若い女性が多くて
同じように
会社員が多いのかと思いました。

そんな中
ひとりの男子大学生が
十詩子のちょうど後ろに座りました。

彼の名前は
哲(さとし)と言います。
彼は理科系の私立大学に通っていましたが
今で言うダブルスクール経理の勉強のために
来ていたのです。

講義は
先生が
黒板に仕訳をひとつずつ書いて
説明してくれるもので
始めから教えてくれるので
十詩子には少し簡単すぎるものでした。

講義が終わると
外は真っ暗になっていて
電車に乗って
どこにも
立ち寄らずに
尼崎駅まで行って
そこで敬子と別れて
お部屋に帰りました。