ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ロフトで勉強しましょ 7話

十詩子は
後ろを向いて
「ありがとう」と言って
目薬を受け取りました。

それから先生の講義が続いて
ふたりにとっては
長い授業が終わりました。

敬子と十詩子
そして悟は
席を立ちました。

敬子が
十詩子に
「目薬のお礼言ったら」
と言いました。

そう言われて
十詩子は
悟に目を合わせて
「ありがとう」ともう一度言いました。

悟は
「そんなに言うほどでも、、、
ところで
もうすぐ試験ですよね」

十詩子は黙って下を見ていました。

敬子は
十詩子の手を引っ張って
何とか言うように
目で合図しました。

十詩子は
「そうですね。
今度一緒に勉強しない。」
と小さな声で答えました。

悟は
「そうだね。
それも良いね」
と話しながら
エレベーターの方に
歩いていきました。

狭いガタンガタンと大きな音をたてながら
下りるエレベーターに他の学生と
黙って乗りました。

夜で暗くなった駅までの道も
黙って歩いていきました。
地下鉄で梅田まで
それから国鉄で
尼崎まで
3人で帰りました。

十詩子は知っていましたが
悟はこの時初めて
前のふたりの女性は
同じ駅から来ているのだと
いうことを初めて知りました。

尼崎駅では
3人の帰り道は違います。
悟は地下道を通って北側に
十詩子は南の警察署の裏手に
敬子は
東の支所の近くでした。

別れ際に敬子が
「十詩子一緒に勉強したら
今度の日曜日なんか良いんじゃないの
図書館にでも行ったら」といいました。

十詩子は
また顔を真っ赤にして
「一緒にどうですか」
と小声で言いました。

悟も
耳が熱くなるのを感じながら
「それはいいですね」
と答えて
日曜日に会う時間と待ち合わせの時間を決めました。