悟は建物に入ると 右側にある掲示板を見て 休講がないかどうか調べます。 その日は 休講がなかったので 左側の階段か エレベーターで 5階に上ることにしました。 悟: 5階に上がるんだけど 階段かエレベーターか どちらにする? 十詩子: エレベーターがあるの 学校なのに 悟: 他の教室には エスカレーターがあるところもあるんだよ 十詩子: そうなの 私の会社でも 本社に行かないとないのに 一度エレベーターで上がりたい ふたりはそう言って エレベーターに乗って 5階に上がりました。 エレベーターを下りて 右に曲がり それから左に曲がって 大教室に入ります。 階段教室で 300人が入れる教室です。 早いので 誰も着ていませんでした。 十詩子: 早いのね まだ誰も着ていないよ 悟: そうだね 大体僕が一番乗りなんだ 一番に着たものは 冬はストーブを点け 夏は窓を開けるんだ 窓を開けるよ 十詩子: 悟さんは 早く来るのね 窓を開けるの? じゃ私こっち側を 悟: ありがとう ふたりは窓を開けて回りました。 大教室なので 窓は数多いのです。 ちなみに 締めるのは 掃除のおばさんです。 全部開け終わると 悟は 中央の 前から2列目の 端に 十詩子を座るように言って 自分はその隣に座りました。 十詩子: こんな前で問題ないの 悟: 前の方が 先生からは見えにくいんだよ いつも僕はここなんだ 十詩子: そうなの そう言っていると クラスメートが 入ってきて 悟に 「オッス」と言いました。 悟も「オー 今日は友達来てるんだ よろしく」と返事しました。