朝まで考え 少し寝不足にになって 会社に行きました。 会社に行くと 敬子が 寄ってきて 「昨日良かった? 手をつないだ。」 と尋ねてきました。 十詩子: 手はつないでいません。 それより 私 大学に行きたくなってしまいました。 夜学に行く方法はないでしょうか。 敬子: 何っ 藪から棒ね 大学に行きたいの 悟さんと行きたいのね そうよね そうしたら 毎日会えるもの 十詩子: そんなんじゃなわ 大学で 授業を受けた来たら 大学って良いところだと思ったの もっと勉強したいの 敬子: そうなの 男の人で 夜学に通っている人は 多いよ 今課内にはいないけど 昨年まではいたわ 卒業して神戸工場勤務になったけど でも女の子で 大学の夜学に行った人は 聞いたことないわ。 でも 課長に聞いてみれば そんなに勉強したいんだったら 十詩子: そうなの そんな話をしていると 課長が出勤してきて 話は終わり 仕事が始まりました。 午前中は 仕事が忙しくて 課長に聞くことが出来ませんでした。 午後の仕事が始まり 仕事が 少し一段落して 課長が いつものように 新聞を読み始めた頃 十詩子は課長のところにやってきて 話しました。 十詩子: 課長すみません お話があります。 課長: 十詩子さんなどんな話ですか。 十詩子: 私夜学に行きたいんです。 課長: 夜学とは大学のことかね 十詩子: はい 夜学の大学です 課長: 困ったな 十詩子さんは 優秀だから 大学に行くのはいいと思うんだけど 制度上困ったな 君は 高校出で 地域事務職で 入社したことになっているんだ 地域事務職は 会社の細則で 夜学には行けないことになっているんだ 男性職員の総合事務職でないと 夜学は少し難しいと思うんだ。 十詩子: そうなんですか 男性なら行けて 女性はダメと言うことですか 課長: そう言う事じゃなくて 地域事務職だからなんだ 男女差別ではないよ 十詩子: 絶対ダメなんですか 定時退社で 間に合うと思うんですが (課長は十詩子の熱意に 圧倒されてました。) 課長: そうだよね そうだ 本社の総務課長に一度聞いてみよう 明日本社に行く用事があるから その時聞いてみるよ。 我が社では 社員が社員が勉強することを 昔から応援しているんだから。 十詩子さんも知っているように 隣の高校は 我が社の高校だったんだよ。 今は尼崎市に寄付してしまったけど 少し待って 課長はそう言うしかありませんでした。 十詩子は少し力を落として 席に戻りました。