引っ越しは会社の丸抱えの費用で して頂きました。 十詩子は 引っ越し業者が てきぱきと 片付けて行きました 荷物も少なかったせいもあって 小一時間も経たないうちに 荷物はすべて 車に乗ってしまいました。 車を見送ってから 家主さんのところに お菓子を持って 挨拶に出掛けました。 家主: 十詩子さん 行ってしまうのね。 寂しくなるわ 十詩子: お世話になりました。 大学行くときには カンパまでして頂いて 今の私があるのは 家主さんお蔭です。 ありがとうございました。 家主: いいえ あなたの努力の成果よ。 5年前に やってきたときは、 お下げ髪で 高校の制服がよく似合う 女の子だったわね。 今は髪の毛が 腰まで伸びて もう一人前の 女性になって 東京に行っても 忘れないでよね また尼崎に来たときは 寄ってよ 十詩子: 本当にありがとうございました。 また必ず来ます。 そう言って 別れました。 その後 十詩子は 仕事で 尼崎工場に来たときには 家主さんのところに よく来ていました。 尼崎から 新大阪駅を経由して 東京に行きました。 新宿の 本社についてのは 3時頃でした。 本社の 電算機室で 室長に挨拶しました。 室長とは 東京出張の際 何度も会っていて 十詩子にとっては 少し苦手な上司でした。