妖精は 杖を取り出し ぱっと振って 一気に神様が執務する 神階に到着しました。 神階には 強い権限を持った 警備官がいて 見つかると厄介なので 魔法の力を使うことはできません。 人間の盗賊のように 抜き足差し足で 神様のいる場所に近づきました。 その後 気配を消して 数時間待ちました。 神様がひとりになった隙を付いて 妖精は飛び出しました。 妖精: 神様お願いがあります。 私の担当している莉子は まだ若いのに 寿命は少ししかありません。 どうかもう少しだけ伸ばしていただけませんでしょうか。 その言葉に 反応して 警備官が 現れました。 神様: 警備のもの 大丈夫です。 星子 あなたの願いは よく理解できた。 私も神階から見ていて 同情に値すると考えています。 しかし何事も 万事 法のなすところ だから 寿命については私は何もできない。 莉子の 生命力・気力に頼るしかない。 高めるために 陽一を少し早めに 巡り合わせたじゃないか。 星子には 莉子に生きようとする 力を 上げるように 努力してもらいましょう。 今日はご苦労であった。 今回のことは許すが 次回からは 規則に従うように そういうと 神様は 目配せをすると 妖精は 一気に莉子の前に戻ってきました。 妖精は 陽一が突然現れたのは 神様のおかげであることを 初めて知りました。 神様が実際に その力を発揮することは まれな出来事なので これは奇跡だと思いました。