ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

お花見とお月見 その6

巻き寿司を
ふたつほど食べたら
大きいお姉ちゃんが
「じゃ次のところに行きましょう」
と声をかけます。


弟は
その声で
箸をおき重箱のふたを閉めます。

姉は風呂敷に重箱を包み
弟はござをくるっと丸めました。

姉と大きいお姉ちゃんの先導で
田んぼの畦を西に向かいます。

今度は隣村の神社に向かいます。

お昼を告げる
各村々のサイレンが
鳴り響きました。

のら仕事をしているお百姓さんたちは
仕事の手を止め
昼ごはんに帰り始めました。

知り合いの村人と
お姉ちゃん達は
挨拶をして
ゆっくりと鎮守の森に着きました。

そこには
大きな木が何本もあって
夏には
森になってしまいますが
まだ春先の
今は
新芽を出している木も
少なく
日が差し込みました。

その場所で今度は
丸くござを引いて
向かい合って座りました。

平素おしゃべりして
食事をしたことがない
子供達でしたが
その日は大人もいないので
「今度はあの木に登って遊ぼう」
とか
「お人形さんを買ってもらった」
とか
話しながらゆっくりとお寿司を食べました。

弟も
姉達の話を聞きながら
おしゃべりしながら
食べるのも良いものだと思いました。

お寿司をまたふたつ食べました。
お姉ちゃんは
話に夢中で
まだまだ時間はありましたが
全部食べては
もったいない気がして
箸をおいて待っていました。

ひとしきり話した後
「じゃ次のところに行きましょう」と声が上がりました。

弟は同じようにござを丸めて
準備をしました。

「今度は、○○さんちに行きましょう。
あそこの桜はとても綺麗だから」
と言いました。

田んぼの畦を
ゆっくりと歩いて
行きました。

太陽は春霞で
穏やかに輝き
気持ちが本当にいい日でした。