ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

お花見とお月見 その9

何時間寝ていたのかわかりませんが
夕日が六甲の方角に
なった時
姉は弟を起こして
家に帰るようにいいました。

弟は
ござを丸めて
家に帰りました。

家に帰ると
母親が帰ってきて
「今日はお風呂をたてるから
水を汲んできなさい」と
言われました。

姉と弟は
近くの小川から
バケツで水を汲んでは
お風呂桶に
入れました。

姉は大きな金バケツ
弟は小さな木桶で運びました。

何度も往復して
やっと一杯になったころには
西の空は
真っ赤に染まって
六甲の山の稜線だけが
見えました。

母親が
わらに火をつけて
風呂の焚口に
入れました。

そのあと姉は
わらを丸めては投げ込む係
弟は少し離れたわらの倉庫から
わらを運ぶ係になりました。

とっぷり暗くなったころ
父親が帰ってきました。

「おかえりなさい」と
言って
今日は笑顔で
弟は父親お迎えました。

父親は服を抜いて
先に風呂に入り
そのあと
姉と弟も風呂に入りました。

弟は
疲れましたが
きっちり座って
ご飯を食べました。

眠たいのがわかったのでしょうか
母親は
弟に「今日はもう寝ましょう」と声をかけました。

弟は急いで
寝巻きに着替え
座って挨拶をして
お布団の中に
もぐりこみました。

直ぐに寝入ってしまいました。

楽しい弁当節句の夢でも
見ているのでしょうか
寝顔は笑っているように
姉には見えました。






これで
お花見とお月見終わります。

お月見については
またそのころ
覚えていましたら
書いてみます。

昭和30年ごろの
風景が
頭の中に
浮かんできましたでしょうか。

私は
昨日のことのように
懐かしく思います。

その時怖かった
父親は今はいません。

母親は
寝たきりになってしまっています。
数々の幸せをもたらしてくれた
母親には感謝しておりますが
その恩返しができていません。
親不孝な私です。

ごめんなさい。