祖父が真新しい自転車を 母のために買ってきた日に 母は 乗らないと言ったので 祖父は 潰してしまうのです。 それも木っ端みじんに 大正時代の 終わり頃ですから 自転車自体は 相当高価なものでした。 それを 潰してしまうのです。 それ以後 母は 自転車に乗ることは ありませんでした。 晩年「自転車に乗れたらいいのに」 と私によく言っていました。 そんなことが 子供の時にあった母は 運動神経の鈍い 私が生まれて だんだんと大きくなったとき 自転車に乗れるようにしなければならないと 考えたのです。 私が たぶん小学校2年生くらいになったとき 子供用の自転車を 手に入れることに成功したのです。