ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

アスカル帰還せよ その35

帰還ユニットの燃料には限りがあります。

火星探査機の母船の
エネルギーを使う方が
省エネなので
私は
母船を無線で
操縦しました。

狭い上に
サリナさんが乗っているので
身動きさえ
うまくできない
帰還ユニットの中で
左手の
操作用ハンドで
操縦しました。

サリナさんは
窮屈なので
「早くして」
と私に言ってくれます。

しかし軌道上で
母船とドッキングするのは
難しいのです。
ゆっくりでないと
ぶつかったりすると
大変なのです。

その上
火星探査機の母船は
大きな太陽電池が
飛び出ていて
なおいっそう難しくしていました。


3時間が経って
やっと母船の
太陽電池が
はっきりと見える距離まで近づいてきました。

私は
今度は
帰還ユニットのエンジンを操作して
近づきました。

ドッキングユニットのある方向に
うまく回り込み
帰還ユニットを
近づけていきました。


この時
サリナさんが
何か手を伸ばしたように思ったのです。

私は
「あっ」と思いました。

過去の例もあります。
操縦桿でも触られると大変なので
私は
右手で
操縦桿を
カバーしました。

サリナさんの頭は
私の右手にありましたから
サリナさんの頭は
前のめりになって
サリナさんの頭は
前の
計器に当たってしまいました。

真空状態なので
音は聞こえませんでしたが
サリナさんは
なにやら
大声で
叫んでいるようです。

無線が外れてしまったのです。

私は
操縦桿を右手でカバーしつつ
左手で
外れた
音声用ワイヤーを
つなぎました。

「痛いじゃないの
アスカル
私をどうするつもりなの」
と言っていたのです。