星子: 前にも言ったように 私は 流れ星の妖精で 星子と言います。 神様からのお指図で あなたに協力するように言われたのです。 剛さんが 急な階段でも 安全に簡単に上り下りできる物を 開発することを 手伝うようにと言われたのです。 剛: 失礼ですが 妖精とか神様とか えらく超自然的なのに 安全な階段とは 現実的な問題なんですね。 全知全能の神様なら 安全な階段ぐらい 朝飯前ではないんですか。 あなたは 本当に妖精なんですか。 私の目の前に ぱっと現れたときには 一瞬 そうかなと思いましたが 何かトリックを 使っているんじゃありませんか。 星子: 剛さんがそう思うのは 無理はないと思いますが それに間違いないんです。 神様が 安全な階段を 作るように 指図された意図は 私にはわかりませんが そうなんです。 指図されたことを 実行しないと 私が懲罰を受けるんです。 信じてください。 剛: 信じてくださいと言われても 何か信じられない。 あなたのような 若くて美しい方が どうして わからないです。 もしかして これはドッキリカメラですか。 どこかにカメラがあるとか 星子: カメラなんかありません。 私が妖精であることを 証明しましょう。 一番これが皆様信じるみたいなので 剛さんと一緒に空を飛んでみましょうね。 そういうと 星子は 星が先についた 小さな棒をパッと出して それを 振りました。 そうすると 星子と剛は宙に浮かび上がりました。 星子: これでどうですか 剛: これでどうですかと 言われても 浮かんでいますね これはトリックではないですよね でも 宙に浮くって 面白いですね。 階段に落ちそうになると これで宙に浮いたら 安全じゃないんですか うー 宙に浮いた感じ いいですよね これで寝たら気持ちがいいですよね。 星子: 楽しんでもらえて ありがとうございます。 下ろしていいでしょうか。 魔法を長く使うと 経費がいりますので 剛: 残念です。 もっと飛んでいたかった あなたが 超自然的な力を 持っていることは わかりましたが そんな力を持っていたら 私に協力しなくても あなた自身で パーと 解決してみたらどうですか 私のような凡人に 頼まなくても 星子: 神様は 自然のことは万物の法則に委ね 人間のことは人間に委ねなさいと いつも言っておられます。 きっと 安全な階段は 人間が考えるべきものと 思っていらっしゃるんじゃないですか。 剛: そうなんですか ところで あなたは どんな風に 私に協力してくれるんですか。