ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

昭和30年頃の お正月 その9

弟の仕事は
ガラスふきだけですが
主婦である母親は
そんなもので終わるものではありません。

正月になると
ながくお店は閉まってしまうので
まずは買い物
それから
おせち料理です。

この家のおせち料理は
簡単なものですが
それなりに大変です。

縁起物の
数の子・黒豆・田作り
くわい・レンコンなど
それから
通常の食事になる
お漬け物・白菜
それから雑煮の材料の
大根・人参
普段はほとんど食べない
魚
などを洗ったり
煮たりします。


そんな忙しい一日が過ぎて
夕方になります。

大晦日の夕食は
年越しそばではありません。

そのような習慣は
この村ではありませんでした。

そば自体を
作っていませんでしたので
そばも食べません。

そばは
五穀中で
最下位のもので
収量も悪く
そんなものをこの村で作る者は
皆無です。

だから
この村では
そばは食べません。

普段と変わらぬ
食事が終わると
ラジオを聞き出します。

兄弟は
9時に寝ますが
両親と兄は
ラジオの紅白歌合戦を
聞いているみたいです。

除夜の鐘が鳴るとき
一年で一番夜更かしの日は終わります。