ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

妖精のその後 その7

新幹線に乗りながら
星子は考えました。

このまま
剛が死んだら
どうしよう
何とかして
助けられないかしら

神さまにお願いしてみましょうか

やっぱりだめ
だめ

人間のことは
自然の摂理に
従うのが
大事と
いつも神さまは
おっしゃっておられるから
『剛を助けて』なんて言ったって
ダメでしょうね。

でも
剛さんに
もしものことがあったら
私
生きていけないわ

妖精の力を持っていたら
何とかなるんだけど
妖精に戻るためには
剛と別れなければならない

それに
指示もないのに
妖精の力を
剛さんのために使ったら
きっと私が罰を受けるわ

きっとその罰は
最高に罰で
きっと妖精でなくなる罰に違いないわ

昔そんな妖精がいたことを
聞いたことがある

妖精でなくなった妖精は
人間でもないし
すぐに歳を取って
死んでいったそうよね。

でも
剛のいない世界で
生きていっても
それでいいのかしら

妖精は
精神だけのものだから
妖精が死んでしまうことなど
あり得ないことだわ

剛のいない世界で
剛のことを思い出して
ズーと生きていくのよ
そんなこと耐えられないわ

そんなことを考えつつ
名古屋の病院に着きました。