ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

妖精のその後 その10

星子がいない
部屋にひとり取り残されて
淋しくなった剛は
悪いことばかり考えて
それが一層
剛の心を
深く沈めました。

星子が
名古屋から
帰ってきたのは
もうとっぷりと
日が暮れていました。

少し望が見えてきた
星子は
急いで
家まで帰り着きました。

星子が
家を見ると
電気が付いていません。

「剛が出かけるわけがないのに
なぜ電気が付いていないの」
星子は
心配になって
鍵を開けて
階段を上って
「剛さんただいま!」と
大声で言いました。

いつもの部屋から
「おかえり」と
声が聞こえてきて
星子は
ホッとしました。
電気を点けて
剛を見て
さらに安心しました。


星子:
電気も点けずに
どうしたの
それより
良い知らせよ


名古屋の病院は
いいみたい

剛:
星子さん
どういいの

星子:
先生がね
連れてきなさいって

治るかもしれないからって


剛:
えー
そうなの
治るかもしれないの

うれしい

剛は言いながら
少し涙目になってしまいました。