ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

クリスマス特別企画 妖精のその後 その15

星子が
流れ星に願いをかけていた頃
神さまはもちろん
星子のことを考えていました。

剛の命が
長くないことも
分かっていました。

「星子の気持ちは分かる
剛の願いもわかる

しかし
剛の願いを叶えることは
『人間界のことは
万物の法則に
従う』
におおいに反する。

星子の願いを叶えることは
もちろん
『人間界のことは
万物の法則に
従う』に反する

星子が
妖精に戻るという願いは
神の裁量権だ

星子が
剛の命を
妖精の力で
ながくすると
妖精の服務規程に違反して
懲戒処分としなければならない


それに
星子は
まだ経験の浅い妖精だから
命を長くすることなど
出来る力はない


そんな大きな力を持っているのは
チームAに属しているものでないと
そんな事はできはしない。


じゃ
どのようにこの問題を解決すべきか」

神さまは
悩みました。

こんな難しい問題は
チームAを
卒業した湖子に
まかしてみようと
考えました。

湖子は
何万年前から
妖精として働いていた
湖の精です。

輝かしい業績を
いくつもあげたので
神さまと並ぶ
地位を持っていました。

神さまがそう考えた瞬間
湖子は
星子の前に現れました。

星子は
人間になっていたので
湖子は
人間になって
星子の前に現れたのです。


湖子:
星子さん久しぶりね。

星子:
あっ
あなたは
湖子様ですか。
今は私は妖精でないので
はっきりとはわかりませんが
昔研修の時に
ご講義頂いた
湖子様の
オーラと
似たものを感じます。

湖子:
若いのに
さすが
今は人間なのに
私のことが分かるって
相当
優秀な
妖精ね

星子:
湖子様
湖子様は神さまのお使いで
お越しになって下さったのですか。

私はどうなっても良いので
剛さんを
助けて下さい。

湖子:
神さまからは
何も聞いていない

神さまは
何も決めていません。

私に
まかされています。

でも
私は

『人間界のことは
万物の法則に
従う』ということと
妖精の倫理規定に
従わなければなりません。

私の力で
剛の命を延ばすのは出来ません。

星子さんに力を貸して
同じようなことをすることも出来ません。


星子:
私の願いは
無理なのは分かっています。
私は
もう
妖精に戻らなくても良いです
剛さんを助けて下さい。

湖子:
剛さんは
そうは願っていないようですよ

あなたは
剛の心が
読めないのですか
今は人間でも
剛の心が
読めるでしょう

剛さんは
あなたが妖精に戻れなくなったら
どんなに悲しむでしょう

星子:
じゃ
私は
どんな風にすればいいのですか

私は
剛さんが
弱っていくのを
看ていかなければならないのですか


湖子:
そうです。

今あなたは
力のない
人間なんです

人間である以上
死ぬのは避けがたい
事実です。

あなたは
それを
受け入れなければなりません。

星子:
人間には
避けがたい
ものなんですか

私も
人間として
生きていくので
剛と一緒に
死にます。


湖子:
あなたは
優秀な妖精です。
人間のまま
死ぬことなど
神さまは喜ばないわ

剛さんとの結婚生活が終わったら
妖精に戻る約束よ

星子:
神さまの
おこころざしは
ありがたいけど
私は
剛さんを選ぶわ



湖子:
そこまで
剛さんを
愛しているのね

私
うらやましいわ

私は
数万年このお仕事をしていますが
そんなこと思ったことはないわ

じゃ
分かりました。

星子:
じゃ
私を人間にして頂いて
剛と一緒に
死んでいけるのですね

湖子:
そうじゃありません

星子:
何もないのですか

湖子:
そうでもありません

剛を
妖精にしましょう

妖精になって
ふたりで
神さまに
仕えなさい

妖精として
ふたりで働けば
良いのよ

人間も
共働きというのがあるのだから

じゃそのように
神さまに連絡しておきます。

そういって
湖子は
消えてしまいました。

ロフトで
湖子と
星子が
心の中で
話し合っていたのですが
下の剛には
全く分かりませんでした。

湖子が消えてから
小一時間たった頃
急に辺りが
明るくなって
古風な服装をした人物が
立っていました。

星子には
その人物が
妖精の課長と
分かっていました。

課長:
私は
神さまの命で
こちらに来ました。

星子
剛
あなた方ふたりは
ロフトの精として
妖精になりなさい

そして
神さまの手足となって
働きなさい

剛は
課長が
突然現れて
びっくりしました。

間髪を入れず
剛の方に
光が走りました。

剛は
すべてが分かりました。









この後
星子と剛は
この家から
突然
いなくなりました。

ふたりは
仲良く
妖精として
働き始めました。

もちろん
星子が先輩で
剛は
見習いの妖精で
あまり役に立ちませんでしたが
、、、、、、、、
、、

























クリスマス特別企画 妖精のその後 その15
終わります。