エリーは 飼い主の家族に 可愛がられていました。 2年が過ぎた頃 近くの 飼い犬が 散歩にやってきました。 当時 流行していた ハスキー犬です。 ハスキー犬は もともとは 寒いところで そりを 引っ張るために 飼われていたものです。 厳しい 寒さの中 重いそりを 引っ張らなければならない ハスキー犬は 性格は 厳しいところがありました。 そんなハスキー犬の名前は 剣と名付けられていました。 その名の通り の性格でした。 剣は エリーを 一目見て 好きになってしまいました。 その 知的なところが 自分にない ものだったので 引かれたのかもしれません。 一方 エリーは 毎日 前を通る 剣には 興味はありませんでした。 まだ 2才 若かったのかもしれません。 でも 剣が 毎日 求愛の声を 出すので 何となく ハスキー犬を 見ていました。 柴犬とは違う 力強さを 感じてはいましたが 特に それだけのことでした。 ある日のこと エリーの 飼い主の 女の子が 夜遅くなっても 帰ってこなかったのです。 飼い主の 夫婦は 驚いて 探すために 家を出ました。 慌てていたのか 扉を 閉めずに 家を出たのです。 エリーは 外も暗くなっているのに 誰もいない家で ただならぬ 状況と思いました。 開いていた ドアから 外に出て 飼い主を 探し始めました。 飼い主は 公園から 近くの 学校 そして 学校の裏山へと 探し回ったので エリーも 臭いをたよりに 同じ道を 探し始めました。 エリーが 学校の裏山に着いたときには 夜も更けていました。 漆黒の 暗闇は 犬の エリーにとっても 怖いものでした。