ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「アスカルの一生」その3

エリーは
昨日の雨で
濡れたまっ暗な山道を
登っていきました。

上り初めて
すぐに
山道が
急に細くなったところに
飼い主の子供の女の子の
臭いが強く付いていました。

その臭いは
下の方
がけの下の方に
続いていました。

飼い主の
臭いは
山の上の方に続いていました。

エリーは
精一杯の力で
吠えました。

しばらく吠えましたが
下の方からも
上の方からも
何も
応答はありません。

エリーは
がけの下に
下りることにしました。

日頃
家の中しか
歩かない
エリーにとっては
崖から落ちるのも同然です。

案の定
エリーは
下り初めて
二三歩あゆんだとき
足を滑らせて
落ちていきました。

エリーが
小型犬で
身軽なため
大したケガもなく
下に落ちていったのです。

下に落ちた
エリーは
飼い主の女の子の
気配を
感じました。

臭いをたよりに
行くと
女の子がいました。

女の子に寄り添うように
近づくと
頭を撫でてくれました。

エリー
力一杯
街の方にむかって
吠えました。

小型犬ですので
大きな声ではありませんが
できる限りの
力を出しました。

そんな声は
飼い主には
聞こえませんでしたが
聞こえた
犬はいました。

剣です。

野生の耳を持った
剣には
エリーの
その声が聞こえました。