エリーの声は だんだんとかすれて 弱々しくなるほど 吠え続けました。 普段から 全く吠えないエリーに とっては 負担が多かったのかもしれません。 どのくらいの時間が経ったのでしょう。 崖の上で 聞いたことのある 犬の鳴き声が聞こえました。 剣です。 剣には 事の全容がわかっていました。 崖の上で 精一杯の力で 鳴きました。 その声は 大きく 力強かったので エリーの飼い主の父親に聞こえました。 ちょうど 山の頂上まで探しに 登って 下りてくるときだったので 何ごとかと 思って 近づいてきました。 暗闇の中に見える犬は 近所の見たことのある犬と 思った飼い主は 「もしや、、」と 思って 女の子の 名を 叫びました。 その声を 聞いて最初に 反応したのは エリーです。 エリーは ホッと安心すると同時に 最後の力を振り絞って 大きな声で 鳴きました。 甲高い 「ワーン ワーン、、、、」 という 声が エリーだとわかった 飼い主は なおも 子供の名を呼びました。 かすかに聞こえる 子供の声を聞いた 飼い主は 当時としては 非常に珍しい 大きな携帯電話から 消防署に連絡しました。 消防隊が来るのには 10分ほどの時間が要りました。 その間 剣は 巧みに 崖を下りて エリーのそばに 行きました。