ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」 その29

当時は
「猛烈社員」
と言う言葉が
流行していて
登は
その代表選手に
なりたいと思っているようでした。

得意先の会社にだけ
営業に行くだけでなく
その担当者や
上司・社長の家まで
夜討ち・朝駆けの
仕事です。

朝は
6時頃でかけ
夜は
10時頃は早いくらい
翌日になることもしばしばです。

日曜日も
接待ゴルフで
いないことも多いのです。

朝ご飯は
急ぐと言って
食べずに行くことも
多かったのです。

その上
盆暮れの休みは
登の実家に行っていて
家にいるのは
寝るときだけとうのが
事実です。

冴子は
仕事だから
仕方がないし
家族のためにがんばっているんだと
言い聞かせて
諦めていました。

一年経った
昭和48年の春に
女の子が生まれました。

冴子は
ひとりで
育てるのは
不安でしたが
その不安は
子供が生まれると
すぐに
吹っ飛んでしまいました。

何かにつけて
家にやってきたり
あるいは
実家に
呼んだりして
赤ちゃんの世話をしてくれました。

登の母親だけではなく
登の父親も
「育児」に
熱心でした。