ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」 その37

4度目のデートは
パン屋さんがお休みの
水曜日でした。

神戸の
異人館に
行くことになっていました。

三宮で
会って
トアロード(東亜道路)を上って
異人館へ行きました。

いろんな異人館をまわって
風見鶏の館の近くの
喫茶店で休憩になりました。

さっきまで見ていた異人館に
住んでみたいとか
住みにくいとか
景色が良いとか
すきま風が入ってくるとか
そんな話をした後
冴子は
聞いてみることにしました。

冴子:
勇治さん
お話があるんです。

勇治:
何の話ですか。

冴子:
今から11年前のことです。

勇治:
そんな前のことを
えーと
高校の時かな
それとも大学の?

冴子:
高校生の時
2月の18日の時です。

勇治:
そんな昔の話し
覚えていないよ
はっきりした日だけど
何があった日なの
大きな事件でも起きたの

冴子:
事件など起きていません。
私は
朝早く
試験に行くために
電車に乗っていたのです。

勇治は
不思議そうに
冴子の話を
聞きました。

全く
その日付に
覚えがありませんでした。