4度目のデートは パン屋さんがお休みの 水曜日でした。 神戸の 異人館に 行くことになっていました。 三宮で 会って トアロード(東亜道路)を上って 異人館へ行きました。 いろんな異人館をまわって 風見鶏の館の近くの 喫茶店で休憩になりました。 さっきまで見ていた異人館に 住んでみたいとか 住みにくいとか 景色が良いとか すきま風が入ってくるとか そんな話をした後 冴子は 聞いてみることにしました。 冴子: 勇治さん お話があるんです。 勇治: 何の話ですか。 冴子: 今から11年前のことです。 勇治: そんな前のことを えーと 高校の時かな それとも大学の? 冴子: 高校生の時 2月の18日の時です。 勇治: そんな昔の話し 覚えていないよ はっきりした日だけど 何があった日なの 大きな事件でも起きたの 冴子: 事件など起きていません。 私は 朝早く 試験に行くために 電車に乗っていたのです。 勇治は 不思議そうに 冴子の話を 聞きました。 全く その日付に 覚えがありませんでした。