ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」その101

同じように
並んで
岡山と北野に電話しました。

岡山のお母さんも
北野の河本さんのお母さんも
大変
がっかりした様子で
電話の向こうで
泣く声が聞こえました。

河本さんは
これから行くと
言いましたが
安置所は
夜は休みですので
明日の朝と
と言って
電話が切れました。

その夜は
避難所の
なれないお布団の
中で
唇をかみしめました。

朝方ウトウトと
していると
まだ明るくならない頃から
起き始める
人たちの
もの音で
目が覚めました。

冴子が寝ている入り口は
枕元を
大勢の人が
歩くので
必ず目が覚めるところです。

しかし
炊飯が始まる
6時までは
じっと
布団の中で
寝返りをうっていました。

やっと6時になったので
起きて
冴子は
炊事場になっている体育館横の
手洗い場に行きました。

今日は震災からはいじめての
雨でした。

たいそう強い降りで
炊事場にも
入ってきました。

みんなが集まってきて
朝は
豚汁のようなものを
作る献立になっていました。

手分けして
作り始め
7時半頃には出来上がり
避難所のみんなに熱い
ものを提供できました。

雨模様の
寒空に
暖かいものが
本当に
喜ばれました。