ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」その143

他の従業員の
お目付役として
嫌な役を
している冴子を
可哀想だとも
思ってくれたのか
妙に変に親切です。

「社長って
そんなに
親切だったんですね」と
思わず
言ってしまいました。

社長は
少し笑いを浮かべて
「私は
誰にも
親切です。」と
言っていました。

入院して
つらい検査の
始まりです。

しばらく後
医師”団”から
「抗がん剤治療の方針」が
示されました。

いろんなことが
説明されましたが
冴子には
「手遅れで
抗がん剤治療しかない」としか
聞こえませんでした。

冴子は
「余命は
何ヶ月?」と
聞きたかったんですが
怖くて聞けませんでした。

その日の
翌々日から
始まりました。

言うまでもなく
苦しい時間でした。

冴子は
心の奥底では
助かると
思っていました。

しかし
今までの経験や
合理的に考えて
死しか
あり得ないと
思いながら
苦しい時間を
費やしていました。


苦しい1ヶ月が過ぎました。

その間に
見舞いに来てくれたのは
社長が
4回
部下の女性が1回だけでした。