ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」その144

4人部屋に
入院していましたので
他の
病人は
たくさんの見舞い客が
来ているのを
冴子は
見ていました。

重病なのに
家族の者が
来ないのを
看護師さんたちは
不審に思っているだろうとも
思っていました。

でも
冴子は
見舞客が来ると
しんどいのに
大変だと思うようにしていました。

一応
退院して
自宅療養と言うことになりました。

会社は
休職と言うことに
なりました。

抗がん剤治療のため
食事が
食べられず
痩せてしまった
冴子は
歩くのも
大変な状態でした。

介護の
ヘルパーさんが来て
食事の世話をしてくれました。

「たくさん食べて
回復して下さい」と
医師は
言っていましたが
あまり食欲がなく
体重も
もとには戻りませんでした。

3ヶ月頃までは
お腹が痛くありませんでしたが
徐々に痛みが増してきました。

冴子は
「やはり再発した」と
確信しました。

もう
余命
数ヶ月
いや
数日かもしれないと
考えてしまいました。

死がそこに見えるようになると
急に
別れた子供に会いたくなりました。

でも会えないに決まっていると
思いました。

遺書代わりに
手紙を
出してみようという
考えに
行き着くのには
それ程時間はかかりませんでした。