ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「もうひとつの冴子の人生 パート3」その12

猛に促され
子供のところに
行くことにしました。

先に延ばしていて
いつも決着が付かないので
次の日曜日と決めました。

どんな服装が良いかとか
猛さんに
電話で聞いてしまいました。

やはりありのままの姿が良いと言うことになりました。

冴子の住んでいる園田から
子供の住んでいる伊丹までは
電車で2つめの駅
バスでも行ける
便利の良いところなんですが
冴子は
ローンを借りるために
住民票を
取りに行った以来です。

すっかり
伊丹は
変わっていました。

あの地震伊丹駅は
全壊して
新しいものに
建て替えられていました。

おおきな酒造会社の蔵は
少しなくなっていました。

駅からゆっくり歩いて
登の家に
着きました。

天気のよい
初夏の日でした。

冴子の
心臓は
大きく動いて
飛び出しそうにも
感じました。

登の家の
チャイムは
新しくなっていて
中からは
外が見える
テレビインターホンのようでした。

おそるおそる
ボタンを押しました。

心地よい音が鳴っていました。

数分が過ぎても
応答がありません。

「どうしたらいいのかしら」と
猛に
メールで
聞いてみたい気になりましたが
やはりここは
待つのが一番と思いました。

30分くらい経ってから
またもう一度
押してみました。

でも
応答はありません。

登の家は
中が見えないほどの
高い塀で覆われていて
その上
庭が畑のようになっています。

中の様子は
全くわかりません。

そこで
一度駅まで帰って
昼をとってから
もう一度来ることにしました。