ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

昭和30年代初めの頃 小話その20

母は
賢明な大正生まれの女性です。

子供の能力を
見抜いていたのです。

姉には
あんなにも
厳しかったけど
私には
「勉強しなさい」とは
言ってくれましたが
しないからと言って
叩いたりはされませんでした。

通知簿で
「2」を
持ち帰った時も
他の部分を
誉めてくれました。

私には
誉めて育てる作戦だったように
思います。

たぶん
私の能力の程度にあわせてくれたんだと
今になって思います。

姉は
母の
期待通り
先生になりました。

ラジオを
聞きながら
8時半になったので
私は
寝る準備を
することになります。

まず
トイレに行きます。

土間に下りて
下駄を履いて
木戸を開けて
トイレに行きます。

今日は
月明かりで
明るかったので
走って
便所まで
行って
急いで
用をたして
帰って来ました。

トイレに行くのは
とっても怖いことです。

怖いので
母に
付いて行ってもらいたいと
思いましたが
父親が
見ているので諦めました。

下駄を
揃えて
脱いで
上がりました。

たくさん
着ている
冬の服を脱いで
寝間着に
着替えます。

寝間着とは
着物です。

「ネル」と言う記事で出来た
和服です。

丈(服の長さ)は膝の少ししたくらいしかありません。

脱いだ服は
ちゃんと
たたまないと
父親の
叱りになります。

父は
土間で
藁をかちながら
こちらを見ていました。