時は バブル前夜というところでしょうか。 勝は50歳を超え 体力も 衰えていました。 重い荷物を 運ぶのも 大変なんで 人間を運ぶ 不動産屋さんが 好きでした。 残業があるのが 難点ですが 朝が遅いので 朝の間に 宗教団体の 用事を 片付けていました。 父と慕う かの女性も 昼からの仕事で いつも会えることになっていました。 不動産屋さんでは 何千万もする 土地やマンションが 右から左に 売れていき 中には 現金で 取引することもありました。 1億円近くの 現金を 目の当たりに見ると 身が 震える思いがしました。 そのあと 自分の財布を見ると あまりの 少額に びっくりしました。 勝に家は 小さいですが 持ち家です。 しかし 敷地は借地で 借金はありませんが 貯金もありません。 老後のことを考えると 何か 不安になる毎日です。