ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「超幸運な男」その49

勝や郁恵の周りには
独居老人は
たくさんいます。

もちろん活発に
生活している
老人は
多いです。

しかし
一部の人達の中には
困った状況の人も
多かったのです。

介護保険が
未だできていない
時ですから
不自由な老人は
家族が看るか
施設に入るか
二者選択で
家でひとり暮らしというのは
少し
難しいことです。

不自由にならなくても
ひとり暮らしは
淋しいものです。

多弁な
勝も
そんな場面になって
急に下向きになって
無口になってしまいました。

郁恵も
掛ける言葉もなく
黙ってしまいました。

料理が
すべて運ばれ
最後のコーヒーも下げられると
終わりです。

郁恵は
勝の自動車に乗って
父親の
喫茶店に帰ってきました。

別れて
挨拶する
郁恵は
最後に
「私が
つきあってあげる

お父さん
じゃなくて
勝さん」と
言って
笑顔で
家の中に入っていきました。