ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「笑顔のアイコンタクトに魅せられて」その71

その警察官は
その時のことを
良く覚えていて
話してくれました。

そして
アイコンタクトと一緒に
送ったメッセージは
「君はこの小学校の中で一番賢くて可愛い」だったそうです。

薫子さん
そうだったんですが
そんな風に思えましたか


薫子:
そんなことわかりません。

だって
アイコンタクトは
一瞬だったのに
そんな長い言葉を
話していたなんて
わかりません。

会場大爆笑です。


司会者:
新郎にも聞いてみましょう
薫子さんに
いつも
アイコンタクトで
言葉を贈っていらっしゃいますでしょうか。


陽一:
笑顔にそんな意味があったとは
知りませんでした。

いつも
心の中では
「好きだ」と
思っていますが
アイコンタクトで
それを送ったことなど
ありません。


司会者:
それでは送ってもらいましょう。
笑顔のアイコンタクトで



陽一:
わかりました。

ふたりは立って見つめあって
陽一は
薫子さんに笑顔のアイコンタクトの
アイコンタクトをしました。

薫子も
陽一君に
とびっきりの
笑顔のアイコンタクトで
返しました。

会場は
笑顔と拍手に包まれて
めでたくお開きとなりました。



薫子が
結婚式をしていた時
登は
論文の
発表をしていました。


美山町の
茅葺きの民家の
成立と農業との関係について
それはそれは長い
卒論の発表です。

スライドで
作られていました。

大学の教官が
ズーッと並び
難しい顔で
こちらを見ていました。

人間嫌いで
あがり症の
登には
酷でした。