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登の 姉が 春に 結婚して 次は 登の番と 両親は 勧めてきました。 「良い人はいないのか」と 聞いてきました。 実際のところ 登は 好きな人はいません。 過去には 小学生の時と 中学生の時に 片思いした同級生と 大学生の時 ボランティア活動で知り合った 美奈子さんくらいです。 美奈子さんとは おつきあいしたけど 理由もなく 別れてしまいました。 なぜ別れたのか 今でも 分かりませんでした。 そんなこともあって 人間不信です。 結婚なんて 辟易していました。 私の良さを 理解できる人間なんて いないとまで 思っていました。 広島でも 薫子は 近所の方と すぐに仲良くなりました。 いろんな話をして 子供ができないという話になりました。 近所の人の話では 仲が良すぎると 子供ができないというのです。 薫子と陽一君が 仲がよいのは 知れ渡っていたので そんな風に 言われたのでしょう。 薫子は 少し赤くなりましたが そんなこともあるかと 考えてしまいました。 しかし 仲悪くするのは そんなことは できないので 当時はやっていた 「都市伝説」と 思うことにしました。