ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「笑顔のアイコンタクトに魅せられて」その82

朝方
ウトウトして
夢を見たように思ったあと
もの音に気が付き
目を開けました。

陽一君が
薫子の顔をのぞきこんでいました。

これ以上
心配な顔が
できないような
顔でした。

薫子は
「自分が一番悩んでいるわけではないんだ。

陽一君の方が
きっと
私を心配しているのと
子供を失った悲しみが
あるんだ」と
思ってしまいました。

それで
控えめの
笑顔のアイコンタクト
陽一君に
朝の挨拶をしました。

その控えめな笑顔で
陽一君も
笑顔が戻りました。

薫子:
心配してくれて
本当にありがとうございます。

でも
私は大丈夫
陽一君もう心配はしないで

今回は
こんな結果になったけど
夢の中で
赤ちゃんを見たわ

その中で
『今日はまた星に帰るけど
近いうちにまた来るから
その時はよろしく』
と言っていたの

陽一:
そんな夢を
そうだよね

薫子:
私たち
こんなに仲がいいのよ

陽一:
こんなに仲が良かったら
また来てくれるよね

薫子:
そうに決まっている

陽一:
それにしても
その赤ちゃん
大人びたセリフよね

ふたりはそんな話をして
笑ってしまいました。


昼過ぎになると
薫子の母親や
陽一君の両親が
お見舞いに来てくれました。

同じように
笑顔で対応したので
来た人は
ホッとした様子でした。

退院して
実家で
養生することになって
陽一君が
送っていくことになりました。

このことがあってから
ふたりは
もっと仲良くなりました。