ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「笑顔のアイコンタクトに魅せられて」その94

電話の連絡を受けた
薫子は
二日経ち
三日経ち
もう絶望と心配の塊になっていました。

何も知らない
夏子には
笑顔で
接しようとしましたが
顔が引きつっているのが
わかるのか
夏子は
いつものように
笑いませんでした。

生きていたら
絶対に
陽一君は
家に帰ってくると
日にちが
過ぎてしまっていると
思いました。

でも
ひとつの希望を
信じたいと思いました。

薫子も
探しに行きたいと
母親に話しました。

陽一君の父親と兄が持っていった
食糧や水が
なくなってきて
かわりに
陽一君の伯父と屈強の力持ちの社員が
行くことになっていました。

大きな
キャンピングカーを
借りてきて
行くもでした。

薫子も
同乗することになりました。

丸一日かかって
仙台に着き
父親と会いました。

詳細に話を聞きました。

ケガをして
入院していそうなところは
すべて
探したことを
伝えられました。

気丈に
振る舞っていましたが
薫子の
体の中から
力が抜けて行くのがわかりました。

三人は
赤い車のところに
最初に行って
様子を見ました。

付近は
捜索が終わったのか
人影はまばらでした。

がれきだけが
目立つ場所になっていました。

車の中を
薫子は
何かないか
探しました。

一時間ばかり探したでしょうか。

残りのふたりは
手持ちぶさたで
待っているだけでした。

陽一君の父親と兄が
探していたので
何もありませんでした。