美奈子さんが 薫子に 結婚の相談をしたのは もう 涼しくなっていた頃です。 小さい子供と 一緒に食事できる レストランに 美奈子さんが 招待しました。 車で 美奈子さんが迎に行き ふたりを乗せて 郊外の 古民家の レストランに連れて行きました。 靴を脱いで 上がると 立派な庭が見える 畳敷きの座敷で 食事です。 食事のメニューは 和食を 少しずつで 見かけは 少なく見えますが 全体としては 相当な量です。 しっかり食べた後 美奈子さんは 薫子に 「結婚の相手を探して下さい」と 少し顔を赤らめながら 頼みました。 薫子は 何か頼み事があるのかとは 思っていましたが 結婚の相手を 探すとまでは 思っていませんでした。 プライドが高い 美奈子さんだと思っていたので 結婚というような大事なことを 頼んでこないと 思っていました。 晴天の霹靂とでも言えばいいでしょうか。 薫子は 「わかりました。 二番目に良い人を 紹介しましょう。」と 答えました。 「世界で 一番目は もちろん 陽一君ですので 陽一君は 私のもの それで 二番目に良い人を 探しましょうね」と 付け加えました。 美奈子: ありがとう とびっきりの人を お願いします。 薫子: 頑張ってみます。 仲良くできる人なら 良いですよね。 美奈子: 薫子さんは 陽一君と 仲良かったけど ケンカなんか 一回も しなかったでしょう。 薫子: そんな事ないです。