登は 傘をさして 足元に集中して 歩いたいました。 薫子のお部屋の ドアを通りすぎたので もう前には 気にかけていませんでした。 そこへ 人影です。 びっくりして 止まって 前を見ました。 向こうもびっくりしたのか 目と目が合いました。 美奈子さんでした。 登は がっかりした様子で 美奈子さんを見ました。 美奈子: 登さん こんにちは、 何を がっかりしているんですか。 登: 美奈子さん こんにちは 僕は、 がっかりなんかしていません。 美奈子: 登さんは 嘘をついていると すぐわかります。 登: 嘘なんかついてません。 美奈子: 薫子さんでなかって がっかりしているんでしょう。 そんなことくらい わかりますよ。 私は 医師です。 登: 医師だからと言って そんなことわかるはずがない。 美奈子: そんなに むきになることが うそなんじゃないの 登: もいいいです。 美奈子: そうだ 今日は バレンタインでしょう 私からのプレゼントあげるね。 私の幸せ 分けてあげるから 登: チョコレートなら良いです。 美奈子: チョコレートより もっと言いものよ。 登: 何ですか 美奈子: 私に付いてきて