ウトウトしていると
電話が掛かってきました。
美奈子さんです。
少し話さないかと
言うものです。
ホテルのロビーで
会うことになりました。
上着を着て
ロビーに
行きました。
美奈子さんは
夜も更けているので
単刀直入に
言ってきました。
美奈子:
今日登さんの
話しを
薫子さんは
どう思っているの
薫子:
どうって
冗談を
いつも言っている方ですから
冗談と思います。
美奈子:
冗談と
薫子さんは
本当に
思っているの
薫子:
冗談でないと
美奈子さんは
思っているの
美奈子:
登さんには
口止めされていたから
今まで言わなかったけど
もう話しても良いと思うの
薫子:
美奈子さんは
登さんを
よく知っているんですか。
美奈子:
登さんとは
震災の時に
ボランティアで
知り合ったんです。
つきあっていたこともあるんです。
私がふって
そしてふられたんです。
薫子:
よくわかりませんけど
美奈子:
そのことは
時間のある時に
ゆっくりと
話します。
今は
そのことじゃなくて
登さんが
ズーッと
薫子さんのことを
思っていると言うことです。
薫子:
思っているというと
どういう事ですか。
美奈子:
薫子さんは
本当に
わかっていないんですね。
私も一緒に
行った
恩師の先生も
言っていたでしょう。
薫子さんを
愛している人が
近くにいると
言っていたでしょう。
登さんは
薫子さんを
ズーッと愛しているんですよ。
薫子:
えっ
あれは
冗談じゃなかったんですか。
知りませんでした。
登さんって
会社の社長でしょう。
何で私なんですか。
美奈子:
あなたの
笑顔ですよ。