さんにんで
車で
美山町に向かいました。
車の中で
薫子と
話しました。
登:
薫子さんの
家って
古いんですか
薫子:
私が生まれた家は
とても
古いけど
父母は
新しい家で
快適に暮らしているわ
登:
新しく建てたの
いいね
薫子:
前の家は
とても古かったわ
京都の
大学の教授と
研究生が
やって来て
調べると
言うのよ
登:
大学の教授と
研究生?
薫子:
その研究生がね
礼儀を知らないのよ
仏壇や
神棚を
どかどかと
調べるのよ
父親は
怒っていたわ
登:
怒っていたの
、、、、、
薫子:
それがね
その研究生の
卒論が
学会に発表されると
府の役人や
町の人や
他の大学関係者
それに
テレビ局まで
やって来て
私の家は
超有名になってしまったの
父なんか
3回もテレビに出たのよ
後で
教授に聞いたんだけど
あの研究生の
熱意がなかったら
わからなかったと
言っていたわ
父も
もう一度
その研究生に会って
ひと言
お礼を
言いたいと言っているわ
登:
あ~
よかった
お礼なんて
薫子:
えっ
登:
その研究生は
私です。
すみませんでした。
当時は若かったので
失礼なことがあって
申し訳ございません。
遅ればせながら
今日謝ります。
薫子:
えっ
あなたが
父が
偉いと言っていた
人だったんですね。
何という巡り合わせでしょう
ふたりは
目を合わせて
笑顔になりました。
夏子ちゃんは
わかりませんでしたが
笑顔でした。