ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

短編ブログ小説「遊び人真一」その2

真一の母親は
父親以上に
大金持ちの家から
嫁いできていました。

女中(今の言葉で言えばお手伝いさん)が
十人近くいて
結婚するまで
食事の用意など
したことがありませんでした。

母親は父親と
結婚してから
食事の用意を
はじめたのです。

はじめは
さんざんでしたが
特に大きな問題は
ありませんでした。

父親の一家は
温かい目で
みていてくれたのです。

母親の実家の
影響力が
あまりにも大きいので
そのようなことを
言える立場ではなかったかもしれませんが
母親の
相次いでの愚行は
すべて
なかったものになっていました。

最初は
母親は
今で言う
「天然」ですが
数ヶ月が過ぎると
もうそうのようなことは
起きなくなりました。

芯は
賢明な女性だったのかも知れません。

父親は
国民学校の時から
学校一の
秀才でした。

戦況が
悪化した頃
帝国大学に
進学して
一級先の
先輩が
学徒動員で
戦地に出かける羽目になっていた頃
父親は
砲兵工廠に
勤労奉仕で働いていました。

終戦の日に
大空襲があったときには
一瞬の差で
防空壕に飛び込み
助かりました。

戦争が終わると
今まで
勤労奉仕のために
勉強をできない分を
取り戻すように
勉強に明け暮れました。