ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その27

二番草の生える時期になると
稲も大きくなって
少々の雑草にも
負けないようになっていましたが
「ひえ」が
生えてくるのです。

稗(ひえ)は
同じ稲科の植物です。

小さい時には
ほとんど
稲と同じです。

稗を取らずに
育てると
稗の方が
よく育ち
背が高くなって
稗ばかりの
収穫になります。

江戸時代の初めには
まだ未開墾の
荒れ地があった
枝川周辺には
稗だけを
植えた田んぼもありましたが
この時代には
稗は
作ることがありませんでした。

稗を
取りのぞく
稗取りも
するのです。

稗は
よくみると
お米とは違います。

初めての亀太郎は
母親に
詳しく教えてもらいました。

間違って
お米を
抜いたら大変ですので
心して聞きました。

稗は
葉っぱの中心に
白い線が
入っていて
葉っぱの付け根に
毛が生えていないのです。

大きくなると
はっきりとわかるのですが
小さい時は
これがわからないのです。

しかし
清左衛門は
ほとんど見ずに
稗だけを
抜いていくのです。

亀太郎は
凄いことだと
思いました。