ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その58

読者の中には
漆黒の闇など
経験したことが
ない方は
電灯のない時代の
夜を
想像できないと思います。

ろうそくや
灯明が
明るく感じるのは
その暗闇のおかげです。

真っ暗なところを
夜ウロウロするのは
怖いです。

どこかにぶつけないかという
怖さと
物の怪が
出ないかという怖さです。

亀太郎は
小さい時は
母に頼んで
行っていました。

みんなと一緒に
仕事ができるようになった
12歳(数えなので10歳)からは
怖くても
頼むことなどできません。

布団の中で
ジッと我慢して
誰か行かないかを
見ているのです。

またそうならないために
夕食には
水分を
取ることを
控えていました。

早く
夜が明けないかと
願ったこともあります。

そして
「起床」の
声が聞こえて
ながい
一日が始まります。

この時代の
結婚は
遅いのが
普通です。

とくに
小作人の結婚は
おそいです。

この頃の農業は
人手だけが頼りです。

子供が大きくなって
働き手になった時
それを失いたくないので
結婚は
遅くなることになります。