ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その63

宮水は
夙川の伏流水です。

夙川は
西宮村の
向こう側にあって
今津郷では
井戸を掘っても
宮水が出ません。

軟水がでてしまうのです。

お酒を造るためには
適度な
硬水が必要です。

と言うわけで
宮水を
今津郷の造り酒屋さんは
運んでくることになります。

その水を
運ぶのを
今津の小作人は
請け負うことになります。

酒造りは
ちょうど農閑期なので
「もってこい」の
仕事でした。

大八車に
木桶をつんで
西宮の
宮水の出る井戸から
水を買って
今津の村の外れにある
造り酒屋に
運んでくるのです。

途中川をふたつ
渡らなければなりません。

大八車は
ゴムタイヤの付いた
リヤカーとは
全く違います。

木のホイールに
鉄の輪が付いていている
荷車です。

車輪の幅は
細いのです。

そして道は
舗装など絶対にない
地道です。

これらの条件で
大八車に
重い水を載せて運ぶと
どうなるかは
すぐにわかります。