ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その73

清左衛門は
亀太郎は
やはり
家督をゆずるのに
充分なものだと
思いました。

そして
嫁のおますの信頼も
上がりました。

清左衛門は
倉の
一番奥の床の下に
新し
秘密の金倉を作って
銭を蓄えました。

銭は
相当かさがありますので
大きなものを
作りました。

みんなには
内緒です。

おますは
亀太郎には尋ねませんが
入った金額は
概ね理解していました。

雨上がりの日に
宮水運びをして
5回目を運んで
大変疲れた時に
大八車の
後ろに
おますを載せて
歩いている時に
「三年経ったら
田んぼを買おう」と
亀太郎は
そっと言いました。

おますは
三年で
地主になれるのかと
心の中で
大喜びしました。

月明かりのなか
ふたりは
きっと
実現する夢に
胸を
ふるわせました。