ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その81

そんな臭いも
何のその
蚊に刺されるより
ましです。

蚊帳の中に入るのには
ある流儀があります。

蚊は
人間の
臭いや
二酸化炭素によってきます。

江戸時代の
末期の頃
小作人は
よく働きます。

蚊のでる時には
汗の出る時です。

蚊が
人間を見付けるのに
苦労はしません。

何十何百という
蚊が
亀太郎に襲いかかります。

亀太郎は
蚊を
追い払うために
団扇(うちわ)を使います。

まず
中に入ろうとする
蚊帳のまわりを
激しく
団扇で
風を送ります。

相当広い範囲です。

それから
亀太郎自身を
激しく
扇ぎます。

それから
少し小さくなって
両手で
蚊帳を
そっと持ち上げ
中に張ります。

この時に
蚊帳が
何かの下敷きに
なっていないか
よく確認しなければなりません。

何分古い
弱った
蚊帳ですので
そっとです。