米倉の 床下に たくさんの 銭が 蓄えられていたのです。 村の集まりで 土地が売りに出ていることを 聞きつけていたのです。 不在地主の 土地が 売りに出されていたのです。 そこで 清左衛門が 買い取ることにしたのです。 地主になる 第一歩です。 村はずれの 田んぼで 今までの 小作地の隣になって 便利でした。 土地を買ったのは 幕末の 慶応三年1867年の事でした。 春から 小作地ではなく 自作地を 作り始めたのです。 嬉しくなってしまいました。 この頃の気候は 天保年間の 寒冷期が過ぎ 温暖な天気が続いていました。 豊作で お米が 取れました。 小作地の 年貢を差し出し 自作地の 年貢も 代官所に納めました。 そしたら 手元に お米が 残ってしまったのです。 いつものように 種籾と 飯米だけを残して 売ってしまうことにしました。 変わらず 麦飯を 食べる覚悟でした。 叔父さんや叔母さんは 少しがっかりしていましたが 家長の決めたことですので 従うしかありません。 亀太郎と おますは それで良いと思っていました。 10月になったので 宮水運びを 始めました。