土地を より所とする 封建社会が崩壊し 資本主義が 始まりはじめたのです。 酒は その中で 大きな商品となっていました。 亀太郎と おますの間には 明治6年に次女が生まれ 明治9年に次男が生まれました。 おますは 亀太郎に従って 農繁期には 農仕事 農閑期には 宮水運びをしていました。 臨月近くまで 働いていました。 赤ちゃんが生まれると 1ヶ月は 休んでいましたが その後は 仕事で お乳を与えなければ ならない間は おんぶして 農仕事を していたのです。 お乳を 与える必要がなくなると 亀太郎の 妹に まかして 仕事に出かけていきました。 長女の おせいが生まれた時は 子供の相手もしていましたが 2番目の 鶴松が生まれた頃は 仕事ばかりしていて 子供の世話を 全くしなかったのです。 鶴松は それが 淋しかったのです。 清左衛門の家では 毎年のように 田んぼを買っていました。 田んぼが増えると 仕事が増えます。 そんな時 清左衛門は 牛を 買いました。