ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その96

体が綺麗になって
嬉しいのか
牛は
エサを
がつがつと食べ始めました。

亀太郎は
牛の頭を撫でながら
「言うことを
聞いてくれよ」と
言いました。

おますは
横で
「人間でも
牛でも
優しくしないと」と
話しました。

その翌日も
おますに付いてきてもらって
牛と一緒に
田んぼの仕事をしました。

2日目は
わりとうまくいきました。

まだまだ牛が若いので
大きな力がないので
それに注意して
扱った方が
いいとも
近所の人から
忠告を受けました。


優しく
牛を扱うことに
注意していると
牛の方も
だんだんと
亀太郎の言うことを
聞くようになりました。

おますがいなくても
扱えるようになって
亀太郎は
清左衛門に
それを伝えました。

その年は
夏場
雨が続いて
他の村人の
田んぼの出来は
もうひとつでしたが
清左衛門の家の田んぼは
まあまあでした。

その年も
田んぼを
買いました。

その翌年
国へ納める
年貢が
地租という名前になって
お金で納入することになりました。

小作地は
従前のように
お米で
地主に納めるのですが
自作地では
お金の納入が
決まったのです。