ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その116

伊之助が
よちよち歩き始め
夏が
終わりかけた頃
清左衛門は
家督を
亀太郎に
譲ることにしました。

明治10年の初秋です。

清左衛門の家のものは
当時としては
長寿です。

当時の平均寿命は
50才くらいでしたが
清左衛門は
68才になっていました。

近頃は
朝の間の仕事はともかく
午後の仕事が
辛くなって
みんなと
一緒に働けなくなったのです。

そこで
家督を
亀太郎に
譲ることにしました。

亀太郎は
名前を
清左衛門と名乗って
名実ともに
野田家の
戸主となりました。

役場に届けて
田畑を
相続しました。

戸主になって
清左衛門は
働くだけではなく
家の
統率が必要となりました。

先代の
清左衛門は
誰からも
慕われていました。

分け隔てなく
家人を
慈しんだからと
清左衛門は
思いました。

清左衛門も
父親がしたように
そのようにすることにしました。

総領息子(家督を譲る子供)には
厳しくすると
結果としては
家人全員に
平等になると
教えられていたのです。