ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その208

明治17年の
無事に
収穫も終え
農作業も
少しだけ一段落して
みんなが
ホッとしている時
清左衛門は
あることを考えていました。

家督を
譲って
隠居したいと
思っていたのです。

まだまだ働けるのですが
いつまでも
出しゃばっていたら
お家のためにならないと
考えていたのです。

はやく
鶴松に
家督を譲って
家長としての
自覚を高めたいと
思っていたのです。

雨が降って
麦の農作業が
できなかった日
鶴松を
座敷に呼んで
話をしました。

おますも
同席しました。

「今年の
収穫も終え
来年は
鶴松が
仕切ってくれないか」と
いきなり
言いました。

鶴松は
ものごころついたころから
父親の
清左衛門と
直に話したことは
初めてでした。

父親に
突然そんなことを
言われて
少し慌てました。

鶴松が
日々習っている
儒学では
「親に孝」は
鉄則ですので
親の言いつけに従うのが
子のつとめと
頭の中では
考えていました。

しかし
鶴松は
上気して声が出てきません。