ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「順子」その3

相当重体だと
連絡がありました。

もう無我夢中で
母親は
自転車を
こいでいました。

年末の
冬至十日前で日の暮れるのが
一番早い時期だったので
一番星が
輝いていました。

そんな時
一筋の流れ星が
病院の方向に
飛んでいきました。

母親
とっさに
「順子が助かりますように」と
願いをかけました。

あとになって
わかるのですが
順子が
赤ちゃんのときに
願いをかけたときと
同じだわかるのですが
そんなことは
この時には
わかりません。

病院に着くと
急いで
ICUに向かいました。

ガラス越しに
順子は
体にいっぱい線を繋がれていました。

枕元には
いろんな機器が
付いていました。

看護婦さんが
走り回っていました。

看護婦さんを母親は捕まえて
話を聞こうとしました。

「お医者様から
説明します」と
返事して
足早に去ってしまいました。

ガラス越しに見ながら
心配そうに見て
待っていると
父親もやって来ました。

ふたりは
泣きそうに成りながら
待っていました。

ガラスの向こうでは
慌ただしく
医師や看護婦が
順子の周りにやってきました。

その陰になって
ガラス越しからは
順子の様態は
見えなくなりました。

数分経って
医師や看護婦は
穏やかな表情になって
そこから離れていきました。

医師が
やって来て
笑顔で
「順子ちゃんは
凄いですね。

奇跡です。

あんな状態だったのに
意識も戻って
もう心配はありません」と
告げたのです。

ふたりは
抱き合って
喜びました。

おじいさんや
おばあさんも
やって来て
事情を話すと
みんなで
「よかった
よかった」と
話しました。

あとで
詳しく
看護師さんから
聞いた話によると
「順子は
病院に
運ばれてきたときには
瀕死の重体で
一時
心臓が
止まったそうですが
奇跡的に
助かることになります。

医師や看護師も
順子の
そんな回復力を
驚いたそうです。

奇跡以外何ものでもない」らしいのです。